なに食べたいですか?
でらっと雪解けして,春みたいなんて浮かれるのもつかの間,
まだまだ降るよとばかりに,真冬日の吹雪になったりを繰り返す2月。 ![]() 吹雪が止んで,夕方にこんな青空が見えたりすると こどもの頃,深い雪のなかで寒さも感じずに遊んだあとや 吹雪をものともせずスキーを楽しんだあと,最後の一本の前に おなじ色の空を仰いだのを思い出す。 そんな今日,バイト仲間から聞かれたこと。 「あね子さん,実家に帰ったときに,なに食べたいですか?」 2年以上にわたる療養で, もはや昔のようには料理ができなくなった母に代わり 母や父が食べたいであろう料理を,私が作って届けるのが最近の帰省。 なにが食べたかったのか,もう思いつくことはなく 仲間からの問いには,答えられなかった。 どんなものを食べたいか。 それは私が食べてきたものの,味の記憶を辿っていくこと。 私が作って持って行ったもの。 ![]() (期間限定販売・復刻版鶏めし by花善) 駅弁で有名な花善の鶏めしは,昔より甘口になったと言うので ちょっとしょっぱめに鶏肉を味付けしておき, 炊き上がった後に合わせる「炊き込みご飯」。 「にじゃ昆布」と呼んで,私たち姉妹が大好きだった「すき昆布」。 「切り干し大根」も隣のコンロで,干しシイタケのだし汁で煮含める。 加齢から肉を避けがちなので,タンパク質と鉄分補給にと 柔らかく煮込んだ牛肉を使い,マイタケなどたくさんのキノコと一緒に 一晩寝かせてしっかり味をしみこませた「肉じゃが」。 ![]() 母が得意だった「コロッケ」。半日がかりだが手作りは美味しい。 今年傘寿を迎えた父は,いまでもトマトケチャップをたっぷりかける。 ![]() (これは兄ちゃんに持たせたもの) 苦みが気になると,母があまり好まない小松菜。 この冬出回っているものは,甘味があっておいしい。 おひたしにして,白だしで煮た刻み油揚げを合わせ,釜揚げしらすをまぶす。 ほうれん草をおひたしにして,瓶詰のなめ茸で和えたり 焼き海苔をちぎって混ぜ込んだり。 短くしてさっと茹でたえのき茸もいいな。 ニンジンをスライサーで千切りにして,ざらついた断面が味をまとうよう。 ごま油と白だし,お酒にお砂糖で甘みをつけ炒め煮に。 ニンジン三本があっという間に嵩を減らし,いくらでも食べられる。 ![]() (鶏つくねの照り焼き by伊藤旅館) 鶏ひき肉に,ニンジン・しいたけ・刻みネギを混ぜ, 体が温まるようショウガもすり入れ,つくねにまとめる。 味付けはケチャップソースと,甘めの照り焼きの二種類にする。 鶏のハンバーグだと,喜んでくれたな。 千切りキャベツに細切りベーコン。薄切りのウインナーでもいいな。 千切りニンジンと一緒にオリーブオイルで炒め,塩コショウ。 最後に卵を落としてほっこりからめ,あつあつに醤油をたらり。 どれもみな 母が家族のために,作ってくれたなんでもない料理たち。 母の手によって同じ味が並ぶことはもうないけれど 私がそれを継いでいくことで 「んめかったなぁ」の記憶は 確かにつながっていくと 願う。 よろしかったらぽちっとな☆φ(^o^) ![]() にほんブログ村 |