両親との山形旅行 2008。
秋の鉄旅行の日記で,私の両親との山形旅行について触れました。
ふと,当時の写真を見たくなって,5年前のSDカードを開いてみました。 デジカメを使い始めのころで,日付入りなのがご愛嬌です。 ![]() なかなか実現しなかった,両親を伴っての一泊旅行。 秋田駅まで電車で来てもらい,ワンボックスカーをレンタルしての旅でした。 行先は山形蔵王。 このとき,母が初めて「杖」を持って駅の改札を出てきたことに, 軽いショックを受けたのをよく覚えています。 昔から強い腰痛はあったのですが,さらに膝も痛くなり始めていたのでした。 チビ小学1年生,兄ちゃん中学2年生。二人とも幼い。 ![]() 蔵王ロープウエイからの紅葉と,はっきり見えた出羽三山は絶景でした。 感動の声をあげる両親に,一緒に来てよかった・・・と。 眼下に広がる山形の街に,この5年後,兄ちゃんがひとりで住むことになるとは。 ![]() 蔵王山頂には遊歩道があり,蔵王地蔵尊が鎮座なさっています。 この日は,眼下に仙台市の街並みと遥か太平洋が見渡せるほどの好天。 母は手を合わせ,ずっとお地蔵さまに祈りを捧げていました。 あとから「何を祈っていたの?」と尋ねる機会があり,母の答えは, 「亡くしたあの子が,幸せでありますように。って。」というものでした。 50年近くを経ても,「あの子」のことは,母の胸を離れることがないのです。 「あの子は戸籍に載ってないのかしら。載せられないのかしら・・・」と私につぶやく母に, 「出生届をしていないからね・・・」と,答えるどうしようもなさが悲しかったです。 月満ちて胎内を出たのに,この世の大気を吸うことなく, きれいな子だったとしか告げられず,墓標も無しに葬られたあの子。 出産寸前に,臍帯がねじれて心音が途切れた兄ちゃん。 あまりの巨大さに,子宮破裂を回避するため2週早く出産したチビ。 昔であれば,確実に助からなかったであろう,わたしの子どもたち。 現代医学の力で助けてもらった孫たちを愛でる母の心を, そのときあらためて知りました。 ![]() 両親といっしょに眺めた,高さ112mにものぼる,月山湖の大噴水。 抱くことすら許されなかった小さな命から,きっと見守られているはず。 二人の笑顔が,いつまでも続いてほしいと,写真を見つめています。 よろしかったらぽちっとな☆φ(ー人ー) ![]() にほんブログ村 |