よみがえりのニシン。
![]() 兄ちゃんの引越しが終わり,秋田へ戻る日のことです。 4人家族いっしょで最後に食べるお昼ごはんは, 山形市のお蕎麦屋さんの中でも一番老舗の「庄司屋」さんへ。 ![]() 山形駅から少し離れたところにあります。 お店の近くにある線路を,山形新幹線「つばさ」がフツーに通過。 新幹線の踏切待ち。秋田新幹線でもよく見られる光景です。 実はこのとき,チビは突然の拒食状態にありました・・・ いつもは,冬眠前のリスの如く,口いっぱいにほおばってたくさん食べる子なのですが, 兄ちゃんの出発一週間ほど前から,三度のごはんがほとんど食べられず, 水分もとれないのに,お腹だけは痛くなりトイレへ・・の繰り返し。 脱水しているし,胃腸の病気かもしれないと,受診しようかどうか心配していました。 しかし,スケジュールはどんどん進んで行き, 毎食ひとくちほど口にするだけのチビを連れて,山形まで来ることに。 お腹の痛みは止まったものの,食事の時間が迫ると嫌そうな表情は見たことのないものでした。 引越し初日の夕飯は,兄弟が大好きな回転寿司。 でも,チビはネギトロ軍艦2カン(1皿)を1時間くらいかけて,やっと飲み込んだだけ。 いつもは7~8皿をペロリと行き,ストップをかけるほどなのに。 心配しつつも,気分を損ねないように「よく食べたね~」と喜んでみせるハハ・・・ 生まれたときからずっと一緒にいてくれた兄ちゃんに, もう会えなくなってしまうという思いが,チビの心を占めていたようです。 これほどまでのチビの変わりように,そこまで兄ちゃんが好きだったのかと, こちらの胸も痛くなりました。 ![]() 最後のお昼ごはんのお蕎麦は,さすが名店。 コシがあってとっても美味しい。 取り分けしたさらしなそばを,2・3本ずつ,チビもすすり始めました。 ![]() そこへ,私が大好きで注文していた,おつまみ用の「ニシン煮付け」が登場。 ![]() 甘辛醤油味に,くつっとふっくら煮付けられた身欠きニシン2枚が,4切れ。 長ネギと刻みシソを一緒に口に運ぶと,う~ん(*^~^*)美味いっ♪♪ お蕎麦屋さんにニシンがあると,頼んじゃうほど好きな私。 お蕎麦との相性も良く,やや甘めな味も最高です☆ ・・・と,チビを見やると,「ニシン・・・」とぽつり。 「そら,食べてみ。」と小さいカケラを分けてあげると, パクっと食べた後,またすぐ箸が出てきました。 ”あ,食べたがってる・・・” あれほど自分から食べようとしなかったチビが,ニシンをぱくぱくと食べ始め, 「お母さん,お蕎麦,もっと食べる。」とせがんできました。 ツレと兄ちゃんも,その姿を見てホッとした表情。 「ほら,あったかいのもあるぞ。」とツレがたぬきそばの丼をチビに差し出すと, つるんとすすり「こっちも美味しいね~」とチビは笑顔になりました。 チビの心をほどいてくれたのは,美味しいニシンでした。 手間をかけて煮付けられたニシンが,チビの食欲を取り戻してくれたのでしょう。 拒食の期間が長かったので,その後いつもどおりの食欲に戻るまで一週間くらいかかりましたが, ようやくこのニ,三日「腹減った~」という言葉が聞こえてくるようになりました。 ことあるごとにペタッとくっついてくるのは,相変わらずですが, 「6年生でしょ!」と拒絶はせず,気持ちが落ち着くまでくっつかせてあげようと思います。 ニシンさん。チビに元気をくれて,ありがとう。 よろしかったらぽちっとな☆φ(^o^) ![]() にほんブログ村 |